【翡翠孩兒枕 Pillow in the shape of an infant boy】中国‐清時代
「翡翠孩兒枕」は清朝時代(1644年から1911年)の作品で、19世紀に作られました。中国の文化に属し、翡翠(ヒスイ)で作られています。
この枕は、高さ12.1センチメートル、幅10.2センチメートル、長さ22.2センチメートルです。
翡翠で作られたこの孩児の枕は、繊細で美しい彫刻が施されています。中国の伝統的な彫刻技術が見事に表現され、枕の上に横たわる子供の形象は、優雅で柔らかい印象を与えます。
枕はしばしば寝具としてだけでなく、身分や地位を象徴する贈り物としても用いられました。そのため、このような美しい翡翠の枕は、贈り物としての価値もあり、高貴な存在感を持っていたことでしょう。
翡翠はおそらく17世紀にミャンマーから中国に導入され、18世紀の清朝宮廷では、その鮮やかな緑色と高い透明度、ガラスのような輝きから好まれる素材となりました。この優れた彫刻は、しゃがんだ少年の姿を模したもので、宋代(960年から1279年)の名窯で生産された同じ形状の陶器枕に基づいています。これは清朝宮廷の優雅な趣味を示すだけでなく、貴重な素材へのアクセスが増大していたことを示しています。中国芸術における少年像は家族の継承を願う象徴であり、この彫刻も同様に、家族の繁栄と子孫繁栄の願いを表現しています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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