【掐絲琺瑯摩羯紋象足爐 Tripod incense burner with makara】中国‐明時代
「掐絲琺瑯摩羯紋象足爐」は、明代(1368年から1644年)の16世紀に作られた中国の芸術作品で、掐絲琺瑯技法を用いて制作された作品です。これは象の足を模した足付きの香炉であり、琺瑯技法で美しく装飾されています。
掐絲琺瑯は、金属の線で区切られたエナメル色彩を埋め込む技法であり、その特徴は色彩豊かで精巧な模様やデザインを可能にします。この香炉は象の足を模しており、足部分が象の形を取り入れています。そして、琺瑯技法によって鮮やかな色彩で幾何学的な模様や「摩羯紋」(摩羯は装飾的な模様の一種)が施されています。
この作品は明代の掐絲琺瑯技法の高い技術と精巧さを示しています。16世紀の作品として、その時代特有のデザインや装飾が取り入れられており、当時の芸術の美意識や技術力を象徴するものとされています。
この香炉は、象の頭をかたどった3本の足に支えられており、その身には3匹の長い鼻を持つ龍が巻き付いています。インドのマカラ(makara)に由来するこの種の神話上の生き物は、13世紀にチベット仏教を介して中国に導入されました。明代の宮廷で人気があり、マカラ龍は15世紀から16世紀にかけて石の彫刻や磁器、掐絲琺瑯の作品で広く見られました。
画像出所:メトロポリタン美術館
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