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【牧者たちの崇拝 The Adoration of the Shepherds】フランス‐ロココ時代‐フランソワ・ブーシェ(François Boucher)
- 2023/10/26
- 07・バロック・ロココ美術
- François Boucher, The Adoration of the Shepherds, フランス, フランソワ・ブーシェ, ロココ時代, 牧者
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「牧者たちの崇拝」は、フランソワ・ブーシェ(François Boucher)による作品で、ゴアッシュ(画用紙上の黒チョークアンダードローイングの上に描かれた水彩画)を使用し、キャンバスに取り付けられたもののようです。
ブーシェは優美な神話や田園の風景を得意とし、その中でも比較的多くの宗教的な絵画を制作しませんでした。彼が制作した宗教的な作品は通常、個人の信仰に適した親密なスケールで、ロココ様式の要素を備えていました。この作品もその傾向に従っており、スリムで優雅な人物像、媒体の豊かな扱い、アラベスクに基づいた構図の好みなど、ロココ様式の特徴を備えています。
この作品では「牧者たちの崇拝」の田園風景が描かれており、フランドル絵画やジョヴァンニ・ベネデット・カスティリオーネの油彩スケッチを思わせる要素が見られます。しかし、ブーシェの手にかかると、この主題は軽やかさと繊細さを備え、他の出典と区別されるものとなります。
この作品は、1750年前後にルイ15世の有名な愛人であるポンパドゥール夫人の依頼により制作された同じ主題の祭壇画と構図が似ていますが、おそらく後の時期に独立した作品として制作されたものでしょう。完成した祭壇画とこのスケッチの両方で、ブーシェは天上から放射される一時的な金色の光を使用して、構図をアンカーとしています。この天上の光はキリストの幼子に当たり、崇拝する者たちは鮮やかで透明な影を投げます。ブーシェは光と色彩の豊かさを巧みに探求し、特に不透明でクリーミーな雲や聖母子の肌の肉の色に赤い絵の具の点々が見られ、その技術的な巧みさが際立っています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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