1785年にアデライド・ラビーユ＝ギアール（Adélaïde Labille-Guiard）によって制作された「二人の弟子、マリー・ガブリエル・カペ（1761–1818）およびマリー・マルグリット・カロー・ド・ローズモン（1788年没）との自画像」は、18世紀フランスの美術における注目すべき作品の一つです。

この作品は、アデライド・ラビーユ＝ギアール自身と、彼女の弟子であるマリー・ガブリエル・カペとマリー・マルグリット・カロー・ド・ローズモンの3人が描かれています。アデライド・ラビーユ＝ギアールは、当時の社会的な制約にもかかわらず、女性画家として成功を収め、フランス宮廷や貴族の顧客から注文を受けたことで知られています。

この作品は、当時のフランスの美術界で女性画家としての地位を高めたラビーユ＝ギアールの力強さと才能を示しています。彼女自身と弟子たちを一緒に描いたことで、教育と芸術の継承の重要性を表現しており、彼女の美術家としての役割を強調しています。

この作品は、美術史の観点からも注目され、アデライド・ラビーユ＝ギアールのキャリアとその時代の女性画家の役割に関する貴重な証拠とされています。彼女の作品は、フランス美術界における女性の存在と貢献に光を当てており、その芸術的な遺産は今日でも高く評価されています。

ラビーユ＝ギアールの自画像は、彼女自身と彼女の弟子であるマリー・ガブリエル・カペとマルグリット・カロー・ド・ローズモンを描いたもので、近代初期のヨーロッパにおける女性の美術教育の印象的なイメージの一つです。1783年、ラビーユ＝ギアールとエリザベート・ヴィジェ・ル・ブランはアカデミー・ロワイヤル（王立美術アカデミー）に入学しましたが、当時、アカデミーの会員資格を持つことができる女性画家の数は4人に制限されていました。このキャンバスは、1785年のサロン展で大成功を収め、彼らの立場を訴える手段として解釈されています。18世紀の多くの画家の自画像と同様に、ラビーユ＝ギアールは非実用的にエレガントな服装で自分自身を描写しました。主に肖像画家として活動した彼女は、ルイ15世の娘たちである「フランスのメスダム」（Mesdames de France）として知られる王族から特に忠実な後援を受けました。

画像出所：メトロポリタン美術館