タイ中部のシーサッチャナーライ窯で焼かれた青磁の標準的な作例です。その色調は、ゆうすい幽邃な趣をもつ中国の青磁とは異なり、光を蓮花文と稜花形の口縁は力強く、そして優雅な雰囲気をたたえています。山田義雄氏寄贈
タイ・シーサッチャナーライ窯（Si Satchanalai kilns）は、タイのシーサッチャナーライ（Si Satchanalai）地域に存在した陶磁器の製造地です。15世紀に栄え、アユタヤ王朝の時代に主要な陶磁器生産地として知られていました。
その中で、タイ・シーサッチャナーライ窯で生産された陶磁器の中でも特に有名なのが、青磁蓮花文稜花平鉢（せいじれんげもんりんかひらばち）です。
青磁蓮花文稜花平鉢は、青磁（せいじ）と呼ばれる独特の青みを帯びた釉薬がかけられた陶磁器であり、蓮の花の文様が特徴です。鉢の内側や外側の中央には、美しい蓮の花が緻密に描かれています。また、鉢の縁には花びらのような模様が彫り込まれ、独特のデザインを持っています。
この稜花平鉢は、シーサッチャナーライ窯での陶磁器の技術と芸術性の高さを象徴しています。青磁蓮花文稜花平鉢は、当時のタイの王室や寺院によって高く評価され、贈り物や宗教的な儀式に用いられたと考えられています。
現在、青磁蓮花文稜花平鉢は、美術品としての価値が非常に高く、コレクターや美術館の収蔵品としても人気があります。その独特のデザインと精巧な技術は、タイの陶磁器の美を象徴する作品として、多くの人々に愛されています。
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