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【菩薩立像】パキスタン・ガンダーラ|クシャーン朝・2世紀-常設展-東京国立博物館-東洋館
- 2023/7/23
- 03・パキスタン美術
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菩薩像は如来像と異なり、豪華な装身具を身につけた王族の姿で表わされました。釈尊が出家する前は王子だったことによります。この像は、持物がわかりませんが、ほかの菩薩像が着けるターバン冠飾がなく、頭髪を束ねていることから、弥勒菩薩である可能性が高いといえます。
パキスタン・ガンダーラ地域におけるクシャーン朝の2世紀の片岩の菩薩立像は、仏教美術の傑作として知られています。これらの彫像は、古代のガンダーラ地域で栄えたクシャーン朝の時代に制作されました。
ガンダーラは現在のパキスタンの北西部およびアフガニスタンの一部にまたがる地域で、紀元前2世紀から紀元後3世紀にかけて仏教文化の中心地となりました。クシャーン朝は、紀元1世紀から紀元3世紀にかけてこの地域を支配した王朝で、多くの仏教芸術作品が制作された時期でもあります。
これらの片岩の菩薩立像は、主に粘土質の岩石である「シリウス砂岩」を用いて制作されました。彫像は一般的に非常に洗練された技巧と細密な彫刻で知られ、仏陀や菩薩などの仏教の聖なる存在が描かれています。ガンダーラの彫刻は、ギリシャ・ローマ彫刻の影響を受けており、仏陀像がギリシャの彫像と似た特徴を持つことが特徴的です。
これらの菩薩立像は、仏教寺院や修道院の壁や柱などに埋め込まれることが多く、宗教的な場所に祈りや崇拝の対象として置かれました。彫像は一般的に仏陀の慈悲深い表情を捉えたり、手に持つ「印相」(仏教的な手のジェスチャー)が特徴的に表現されています。
これらの彫像は、クシャーン朝の統治下でのガンダーラ地域の宗教的、文化的な繁栄を示す重要な芸術作品として、現代でも高く評価されています。
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