【宝冠仏及び両脇侍坐像】ミャンマー-15〜16世紀-青銅－常設展－東京国立博物館

ミャンマー西部、アラカン地方で制作されたと考えられる作品。透かし彫りで唐草文などの意匠を表わした大ぶりの台座の上に、主尊の宝冠仏と触地印の仏陀坐像2躯を配しています。台座正面に供養者と思われる人物像が表わされています。

ミャンマーの15世紀から16世紀に作られた青銅の宝冠仏及び両脇侍坐像は、ミャンマーの仏教美術の重要な作品です。これらの坐像は、仏教寺院や仏堂で崇拝され、信仰の対象として尊ばれていました。

宝冠仏及び両脇侍坐像は、通常、仏陀が蓮華座に座っている姿勢で表現されています。仏陀は青銅の宝冠（クンバウ）を被っており、宝冠は王冠や宗教的なシンボルとしての役割を果たしています。両脇侍は仏陀を取り巻く姿で描かれ、一般的には弟子や護法神の姿で表現されます。

これらの青銅の坐像は、鋳造技術の高さと芸術的なデザインが特徴です。坐像は細部まで細かく彫刻され、仏陀の身体のラインや表情、装飾品などが精緻に表現されています。また、宝冠や衣装の装飾も繊細で豪華なものとなっています。

15世紀から16世紀のミャンマーでは、ビルマ（ミャンマー）王朝が栄え、仏教と芸術の保護が盛んに行われました。この時期の宝冠仏及び両脇侍坐像は、王朝の支援や王室の庇護のもとで制作されたものと考えられています。

これらの宝冠仏及び両脇侍坐像は、ミャンマーの仏教美術の一環として高く評価されています。これらの作品は、宗教的な信仰の対象としてだけでなく、芸術的な価値も高く評価されています。また、ミャンマーの文化遺産として保護され、博物館や寺院などで公開されています。これらの坐像を通じて、ミャンマーの歴史と仏教の芸術的な繁栄を理解することができます。