「東海道五十三次 水口」は、日本の浮世絵師、歌川広重（1797-1858）による作品であり、「東海道五十三次」シリーズの一つです。

作品の概要

• タイトル: 「東海道五十三次 水口」（英語では “Fifty-three Stations of the Tokaido, Minakuchi”）
• 時代: 江戸時代（1615年-1868年）
• 制作年: 約1838年頃
• 文化: 日本
• 素材: 紙に木版画の技法で制作されており、墨と色彩が使用されている。
• 寸法: 約21.6 x 16.5 cm

解説

• 東海道五十三次: 「東海道」は江戸時代の日本における主要な街道であり、江戸（現在の東京）から京都へと続く道路です。この道路沿いには五十三の宿場町があり、それぞれの宿場を描いたシリーズが「東海道五十三次」です。広重はこのシリーズで、旅の風景や各地の名所を生き生きと描写しています。
• 水口: 「水口」は現在の滋賀県彦根市にある宿場町で、江戸時代には東海道の重要な宿場として栄えました。この作品では、水口の町並みや周囲の風景が描かれています。宿場町らしい活気と、湖畔に面した風光明媚な景色が広重の独特の視点で表現されています。
• 広重の技法と表現: 広重は木版画の技法を用いており、複数の版木を使用して色を重ねることで、風景の豊かな色彩と深みを表現しています。彼の作品は、細部にまで気配りが行き届いており、その緻密な描写が広重の作品の特徴です。
• 木版画の特徴: 広重の作品は、木版画の技法を駆使して、風景の美しさと情感豊かな表現を実現しています。版木に刻まれた線や柄をインクで塗り、色を重ねることで、奥行きのある風景が生み出されます。この技法によって、広重の作品は当時の日本の風景や文化を生き生きと伝えることができました。

「東海道五十三次 水口」は、広重の作品の中でも代表的なものであり、江戸時代の日本社会の風景や宿場町の活気を伝える重要な作品とされています。彼の描く風景は、その美しさと共に当時の文化的・社会的な情景を後世に伝える貴重な資料となっています。

画像出所：メトロポリタン美術館