「穆王八駿図玉山子」は、清代の18世紀に制作された中国の美術作品で、特に硬玉（ネフライト）で彫刻された作品です。以下はこの作品の詳細な説明です：

名称とテーマ: 「穆王八駿図玉山子」（Mù Wáng Bā Jùn Zù Yù Shān Zǐ）とは、字義通りには「穆王の八駿の図が彫られた玉製の山子（山形の置物）」という意味です。穆王は通常、秦の始皇帝を指し、八駿は8頭の優れた馬を指すことがあります。この作品はおそらく、玉製の山子に穆王が所有するとされる8頭の優れた馬の姿が彫刻されていると考えられます。

制作年代: この作品は18世紀の清代に制作されました。清代は中国の最後の皇朝であり、その時代の美術は特に玉器彫刻において技術的な高みに達しました。

材料と寸法: 「穆王八駿図玉山子」は硬玉（ネフライト）で彫刻されています。硬玉は中国の玉器彫刻において特に重要な素材であり、その美しさと堅牢さで知られています。寸法は高さが18.3センチメートル、幅が13.3センチメートル、奥行きが8.5センチメートルです。

彫刻と意匠: 作品は玉の自然な質感を生かしつつ、細密な彫刻が施されています。穆王の八駿（8頭の馬）はおそらく馬の姿が生き生きと表現されており、清代の彫刻技術の高さがうかがえます。玉石の表面における自然な色合いや風合いも重視され、作品全体に高貴さと繊細さが感じられます。

文化的背景: 清代の玉器彫刻は、宮廷や貴族の間で高く評価され、多くの作品が制作されました。玉は古代から中国文化で重要な素材であり、その象徴的な意味合いや美的価値はこの時代においてもそのまま引き継がれています。

「穆王八駿図玉山子」は、その制作技術の高さと美的価値から、清代の玉器彫刻の傑作として位置づけられています。穆王（在位1001年から947年前後）は、勇敢な冒険家であり、伝えられるところによると、昆仑山の仙境など、他の世界的でない場所にも旅をしたとされています。その冒険の後、彼は自身の8頭のお気に入りの馬を美しい谷に放ち、御者にその余生を大切にするよう託しました。

画像出所：メトロポリタン美術館