「掐絲琺瑯八寶雙魚紋大碗」は、中国の明代(1368年-1644年)に作られた作品で、15世紀後半から16世紀初頭のものです。掐絲琺瑯(きせほうろう)技法で制作されています。
この大碗の高さは約14.3センチメートルで、直径は約29.2センチメートルです。足部の直径は約14センチメートルです。
掐絲琺瑯とは、装飾的な線や模様を作るために金や銀の線を使用し、その間に琺瑯を流し込んで固める技法です。この技法によって、美しい模様や細部が表現されています。
この大碗の表面には、八宝(八宝の象徴する幸運や繁栄)と双魚(魚が縁起の良い象徴とされる)の模様が描かれています。これらの図像は、中国の伝統的な象徴と意味を反映しています。
明代の掐絲琺瑯の作品は、その美しさと技術の高さで知られており、多くの美術愛好家やコレクターにとって価値のある作品です。この「掐絲琺瑯八寶雙魚紋大碗」も、その代表的な作品の一つとして高い評価を受けています。この大きな碗は、おそらく仏教のイコノグラフィーを豊富に含んでおり、祭壇のテーブルに供え物を置くために意図されていたと考えられます。外側には大胆な蓮の花が交互に配され、内側には仏教の八宝が描かれています。八宝には、輪、巻貝、傘、幕、花、宝瓶、二匹の魚、無限結び目が含まれます。碗の底には、2匹の鯉が池に泳ぎます。池の暗い水と、掐絲琺瑯の線の光沢が対照的になっています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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