「雲龍図花瓶」は、清代(1644年から1911年)の作品で、雍正帝の時代(1723年から1735年)に作られました。18世紀初頭の作品で、中国の景徳鎮焼きの透明釉の下に銅赤で描かれた磁器です。
この花瓶は、高さ約19.7センチメートル(7 3/4インチ)のサイズで、雲の中に龍が描かれています。中国の陶磁器の中でも、青花や景彩などの伝統的な装飾技法に加えて、銅赤釉の使用が特徴的です。銅赤釉は、特定の温度と窯の条件で銅を含んだ釉薬が酸素不足の中で焼かれ、赤みを帯びた釉薬が得られます。
この作品は、清代の美術や工芸品の高い技術水準と芸術性を示しています。雍正帝の統治下で、中国の陶磁器は特に高度な発展を遂げました。中国美術におけるもっともよく知られたモチーフの一つとして、龍は多層的な意味を持つ多価的な象徴であり、保護、幸福、そして豊かさなどの意味が込められています。中国の初期の美術では、龍は東方の象徴として理解されており、長らく特に湖や川などの水に関連付けられています。また、龍は皇帝の統治を象徴し、五爪の龍が描かれた作品は宮廷で使用されることが知られています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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