「碧玉蘭亭雅集圖筆筒」は、清代(1644年から1911年)の作品で、18世紀から19世紀にかけて制作されました。中国の文化を象徴する翡翠(ひすい)で作られています。
この筆筒は、高さ約8インチ(約20.3センチメートル)、直径約8 11/16インチ(約22センチメートル)というサイズです。翡翠は、中国の宝石として非常に高く評価され、硬度と美しい色合いから、彫刻や装飾品の素材として広く使用されています。
「碧玉蘭亭雅集圖」は、翡翠の表面に彫刻された装飾の名称で、蘭亭は中国の詩文学において文学的な交流の場として知られています。雅集は、知識人や文人が集まって詩や文学を楽しむ場であり、清代には特に重要な文化的な活動の一つでした。
この筆筒の表面には、蘭亭での雅集の情景が精巧に彫刻されています。人々が詩を朗読したり、音楽を奏でたりしている様子が描かれており、細部まで緻密な表現がなされています。また、彫刻された装飾には、中国の伝統的な文様や植物、動物などが見られ、作品全体が華やかさと繊細さを放っています。
この翡翠の筆筒は、清代の豊かな文化と芸術の象徴として、清代の贅沢な工芸品の一例として高く評価されています。その美しさと優雅さは、古代中国の芸術の伝統を称える素晴らしい例です。
装飾美術の製作者は、しばしば容器の表面に有名な物語を飾り付けました。この筆筒は、353年に文人政治家で書家の王羲之と彼の友人たちが会稽で春の浄祓祭を祝って酒を飲み、詩を書く「蘭亭序」の出来事を描いています。単なる魅力的な風景と人物だけでなく、この装飾は筆筒の所有者が歴史を理解し、それを高く評価していることを示しています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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