「緙絲龍紋圓補」は、中国の明代（1368年から1644年）の16世紀に作られた作品です。この作品は、絹と金属糸で織り成された錦織物（けしき）であり、中国の伝統的な手法である「緙絲（けし）」で制作されています。
作品の寸法は、全体が約38.1 x 38.1センチメートルで、台紙が約45.7 x 44.5センチメートルです。
「緙絲龍紋圓補」は、円形の補丁であり、その中心には龍の模様が描かれています。龍は中国の文化において非常に重要な象徴であり、力強さ、権威、幸運を象徴しています。この龍の模様は、繊細で精巧な緙絲の技術によって織り成されており、金属糸を使って立体的な効果を生み出しています。
緙絲は、絹の糸を使用して図案を織り出す伝統的な中国の織り技術であり、その起源は古代にさかのぼります。緙絲は通常、宮廷や貴族のための高価で豪華な装飾品として作られ、芸術的な価値と優れた技術を組み合わせています。
この作品は、その美しいデザインや高度な技術によって、中国の装飾芸術の伝統と技術の発展を示す優れた例です。明代の公式記録によれば、皇室のメンバーは龍のメダリオンで飾られたローブを着用していました。この円形の装飾品の鮮やかな色彩と密度の高いデザインは、後期の明代の宮廷の好みを反映しています。
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