「銅胎掐絲琺瑯五蝠捧壽紋盤」は、中国清代後期の18世紀末に制作された作品で、掐絲琺瑯技法を用いて作られた装飾的な盤(皿)です。
この作品は、銅胎(とうたい)と呼ばれる銅製の土台に、琺瑯技法で彩色された装飾が施されています。琺瑯技法は、金属の表面にガラス質の薄膜を形成する技術であり、掐絲琺瑯は、細い金属線で模様を描き、その間に琺瑯を流し込むことで装飾を施す技法です。この技法は、非常に繊細で複雑であり、高度な技術と手間がかかります。
「銅胎掐絲琺瑯五蝠捧壽紋盤」の直径は約25.7センチメートル、高さは約4.4センチメートルです。盤の中央には、五匹の蝙蝠が壽(長寿)を表すシンボルとして桃を持ち上げている様子が彫り込まれています。蝙蝠は中国の伝統的な幸運の象徴であり、桃は不老長寿を象徴するとされています。この盤は、豊かな色彩と複雑な模様で飾られており、美しい芸術性を持っています。
「銅胎掐絲琺瑯五蝠捧壽紋盤」は、清代の美術や文化における琺瑯技法の優れた例証であり、豊かな象徴主義と高度な工芸技術が見事に融合した作品です。
画像出所:メトロポリタン美術館
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