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【彩繪石雕交腳菩薩像(彌勒) Bodhisattva (Maitreya) with crossed ankles】中国-北魏時代
- 2024/4/16
- 05・魏晋南北朝時代
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「彩繪石雕交腳菩薩像(彌勒)」は、中国の北魏時代(386年から534年)に制作された彩色された石雕像であり、紀元480年から490年頃に作られたと推定されています。この作品は、中国の仏教美術の中でも特に優れたものの一つとして知られており、その芸術的価値や歴史的重要性から高く評価されています。
彫刻は砂岩を使用しており、彩色された痕跡が残っています。寸法は高さ約129.5センチメートル、幅約58.1センチメートル、奥行約45.7センチメートルです。この彫刻は、その大きさや詳細な彫刻技術、そして彩色された装飾によって、仏教の信仰と美的価値を表現しています。
彫刻された像は、交腿座禅(ろうざ)の姿勢をとった菩薩(観音菩薩とも呼ばれる)を表しています。菩薩は左手で地に触れ、右手は肘を曲げて膝の上に置いています。菩薩の表情は穏やかであり、内省的な印象を与えます。また、彫刻された装飾や衣服の細部には、精巧な彫刻技法によって芸術的な美しさが実現されています。
彩色された痕跡は、かつてこの彫刻が鮮やかな色彩で装飾されていたことを示しています。古代の中国の彫刻や仏教美術では、彩色が非常に重要な役割を果たしており、彫刻に彩色された装飾が施されることで、作品にさらなる豊かさや神秘性が与えられました。
この彫刻は、北魏時代の仏教美術の高度な技術と精神性を象徴しています。彼の座禅の姿勢や穏やかな表情は、仏教の修行者の内面的な状態を表現しており、観音菩薩としての神聖な存在を示しています。その芸術的な価値や歴史的な背景から、この彫刻は美術史の中で特筆すべき作品の一つとして位置づけられています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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