【テラコッタ製ダイノス（混合用鉢）　 Terracotta dinos (mixing bowl)】古代ギリシャ‐黒絵技法

「テラコッタ製ダイノス（混合用鉢）」は、ギリシャのコリントス地方で制作された作品であり、紀元前630年から615年頃の過渡期の時代に属しています。この作品は、黒絵技法（black-figure）で装飾されており、ポリテレイア画家（Polyteleia Painter）に帰属されています。

この混合用鉢は、高さ約18.4センチメートル、直径約30.5センチメートルという寸法を持っています。その形状は浅い鉢であり、混合や調合に使用される容器として機能します。古代ギリシャでは、これらの鉢が食事の準備や儀式で広く使用されていました。

黒絵技法は、ギリシャの陶芸でよく用いられた技法の一つで、黒い陶器に赤や白の彩色を施して、様々な図像を描き出します。この混合用鉢にはおそらく、神話や日常生活の場面などが描かれているでしょう。

制作された時代や地域の文化的な背景を考慮すると、この混合用鉢は食事や儀式に使用され、当時のコリントス地方の生活や芸術の一端を反映しています。その装飾や様式から、アッティカ地方の作品とは異なる特徴やテーマを垣間見ることができます。

コリントス地方の最高の壷は、一般的に紀元前7世紀に時代を特定できます。このダイノスは、シンポジウムで消費される水で薄められたワイン用のボウルで、大規模な動物を描いた2つのゾーンで装飾されています。上部にはパンサーとスフィンクスが、下部にはスフィンクスの間にヤギとライオンが描かれています。