【蘭竹圖　卷　Orchids and bamboo】中国‐清代‐郑燮

「蘭竹圖　卷」は、中国の清代（1644年–1911年）の作品で、画家は郑燮（Zheng Xie、1693年–1765年）です。この作品は、1742年と日付が入っています。

手巻き形式の作品で、紙に墨で描かれています。画像部分の寸法は、約13 3/4 x 147 1/2インチ（約34.9 x 374.7センチメートル）で、マウントを含む全体の寸法は約15 1/8 x 295 1/4インチ（約38.4 x 749.9センチメートル）です。

この作品は、「蘭竹圖」（蘭と竹の絵）という名前の通り、蘭と竹という自然のモチーフに焦点を当てた絵巻です。郑燮は、中国の文人画家として知られ、彼の作品は自然や季節の移り変わりを描いたものが多く、特に蘭や竹などの植物を愛でることがよくありました。

この作品は郑燮の代表作の一つとして高く評価されており、その洗練された筆致や繊細な描写が称賛されています。蘭や竹は、中国の文化において品格や清潔さ、高潔さなどの象徴として重んじられており、この作品はそのような美意識を反映しています。「蘭竹圖　卷」は、中国の絵画史において重要な位置を占める作品であり、郑燮の芸術的な才能と清代の文化的背景を示す貴重な資料となっています。

画家と顧元奎（1744年に舉人の学位を取得）、殷熙（1711–1758）、朱文溥（1718年–約1778年頃）、そして程朵（18世紀初頭から中頃に活動した）によって書かれた作品には、それぞれの署名があります。友人の満開の蘭を鑑賞したことから着想を得て、郑燮は中国の文人たちに愛された2つの植物、忠誠と評価されない美徳の象徴である蘭と、強さと柔軟性を兼ね備えた優れた人を象徴する竹を描きました。『蘭竹図』は、画家が五十歳の頃、北方の地位に任命された頃に描かれました。絵画と詩は南方での隠居を期待し、文人たちが自然に退隠する理想を称えています。詩は、巻物の左端に書かれており、隣にある蘭の筆致を反映した自由で優雅なスタイルで書かれています。

画家は、彼の友人である程朵（18世紀初頭から中頃に活動した）に自分の絵画と詩を捧げ、程朵はそれに答えて自ら絵画に署名し、3人の友人に署名を追加するよう依頼しました。後の所有者の要求に応じて、有名な書家兼画家の武昌時（1844年–1927年）が古代の篆書体で「墨戯」の文字をタイトルシートに書きました。霍如木（1921年没）の招待により、別の学者が巻物の左端に取り付けられた別紙に長い詩的な賞賛を書きました。