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【テラコッタ製のキュリック(飲み物の杯) Terracotta kylix (drinking cup)】古代ギリシャ‐古典期
このテラコッタ製のキュリックは、古代ギリシャのアッティカ地方で制作され、古典期にあたる紀元前480年頃の作品です。作品には窯師としてヒエロンの署名がありますが、画家としてはマクロンに帰属されています。このキュリックは、古典期ギリシャの典型的な赤絵技法で装飾されています。その直径は約13 1/16インチ(約33.2センチメートル)で、高さは約5 7/16インチ(約13.8センチメートル)です。
作品の表面には、レッドファイギュアの技法で細かいディテールで描かれた絵画があります。これには、神話や日常生活のシーン、あるいは祭りや宴会の場面などが描かれていることが一般的です。マクロンの作品は、彼の特徴的なスタイルで知られており、細かい筆使いや豊かな表現力が特徴です。
キュリックは、古代ギリシャの社交の場である宴会や祭りで使用された飲み物の杯です。このような容器は、アッティカ地方の芸術家たちによって数多く制作され、豊かな文化的な交流の一環として重要な役割を果たしました。このテラコッタのキュリックは、古代ギリシャの美術品としての価値だけでなく、その時代の生活や文化に関する貴重な情報を提供しています。
内部には、フルートを演奏するサテュロスとメナードが描かれています。外部には、表と裏に、酒宴が描かれています。外部では、特に酒宴(飲み会)とその備品が豊富に描かれています。それには、ワインと水を混ぜるための花冠をかぶった柱のクラテール、酒宴者の体調を和らげるための大きなスキュフォス、ランプスタンド(湯飲みと漉し器も含む)、壁から吊るされたクロタラ(カスタネット)とピクニックバスケットが含まれています。外部の人物像と比較して、サテュロスとメナード(ワインの神ディオニュソスの信奉者)は非常に格式張って見えます。
画像出所:メトロポリタン美術館
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