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【吉原の蜃気楼図 Shellfish and Apparitions of the Yoshiwara Pleasure Quarter】日本‐江戸時代‐鳥文斎栄之‐蜀山人(太田南畝)
「吉原の蜃気楼図」は、江戸時代の浮世絵師である鳥文斎栄之と、書家である蜀山人(太田南畝)による作品です。制作年はおよそ1811年と推定されています。この作品は、額装された吊りスクロールの三連作で、絵画部分は絹に墨と色彩で描かれ、書道部分は絹の額装生地に墨で書かれています。
各絵画の寸法は、約89.5 × 32.4センチメートルであり、装裱を含めると全体が約167 × 44.3センチメートルです。この作品では、吉原の風景が蜃気楼によって描かれています。蜃気楼は、大気の屈折によって生じる光学現象であり、遠くの物体が水平線上に映し出され、現実よりも大きく歪んで見えることが特徴です。この作品は、幻想的で魅力的な吉原の風景を描き、観る者を魅了します。
鳥文斎栄之と蜀山人は、ともに江戸時代の文化において傑出した芸術家であり、彼らの作品は高い評価を受けています。この作品は、彼らの技術と芸術的な才能を示すものとして重要です。
この三幅の浮世絵は、著名な浮世絵師である栄之によるもので、吉原遊郭の情景を貝殻から現れる夢幻的な幻影として描いています。若い頃の多様な訓練を反映して、貝殻や梅の枝は加納墨流のスタイルで描かれており、人物は浮世絵の多彩な色彩で表現されています。約1785年、栄之は将軍に3年間の奉公を終えた後、学問的なスタイルから浮世絵への芸術的な所属を切り替え、遊女の木版画や絵画を専門としました。
さらに驚くべきことに、この三連作の周囲の額装絹には、文学の有名人である詩人で書家の太田南畝(筆名:蜀山人)によるウィットに富んだ詩や吉原に関連する人気のある歌が、彼特有の手で書かれています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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