【臥虎形石柱礎 Pole Base in the Form of a Tiger】中国‐漢時代
「臥虎形石柱礎」は、中国の漢代(紀元前206年から220年)に制作された美術作品で、滑石でできた柱の礎(もとづくり)です。この作品は、高さ2インチ(約5.1センチメートル)、長さ5 1/8インチ(約13センチメートル)といったコンパクトな寸法を持っています。
「臥虎形石柱礎」は、その名の通り「臥虎」(横たわる虎)の形状を持っており、柱の基部に取り付けられています。漢代の中国では、虎は力強さや威厳を象徴する重要な動物であり、建築や美術品においても頻繁に使用されました。この作品も、その文化的なコンテクストの中で、虎のモチーフを通じて力強さや実力を表現しています。
滑石は滑らかな質感と緻密な彫刻が可能な特性を持っており、この「臥虎形石柱礎」においても、精緻な彫刻技法が駆使されていることがうかがえます。虎の体の曲線や筋肉、細部の表現が繊細に彫り込まれています。
この作品は、漢代の芸術の一例として、当時の建築や彫刻技術、そして虎といった動物の象徴的な意味合いを垣間見ることができます。虎の形をした礎が建築物に用いられることで、その場に力強さや守護の意味が込められ、文化的・宗教的な儀式や信仰において重要な役割を果たしていたと考えられています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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