「青銅尊」は、中国の商代（紀元前約1600年から紀元前1046年）に制作された美術作品で、青銅製の酒器である尊（ぞん）の一種です。この作品は紀元前13世紀に制作され、青銅に黒色の顔料を施して装飾されています。
「青銅尊」は、高さ15 3/4インチ（約40センチメートル）、口の直径13 7/8インチ（約35.2センチメートル）、底の直径8 7/8インチ（約22.5センチメートル）といった寸法を持っています。この尊は主に酒を贮（たくわ）るために用いられ、中国の古代の儀式や宴会で使用されたことでしょう。
青銅の表面には、黒色の顔料による細やかな装飾が施されています。商代の青銅器はしばしば象形文字や動物のモチーフが使用され、この「青銅尊」も例外ではありません。装飾の中には神話や宗教的な要素が取り入れられており、それが当時の信仰や文化を物語っています。
この作品は、古代中国の青銅器の芸術的な精緻さや技術の高さを示す一例とされています。青銅尊は贅沢で格式高い品位を備え、当時の社会的・宗教的な儀式において重要な役割を果たしていたことが考えられます。その美しさと歴史的な価値から、「青銅尊」は中国古代美術の重要な遺産と見なされています。
器の内部には、一つの文字（氏族の印）が鋳造されています。
画像出所：メトロポリタン美術館
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