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【ポリュクセナの犠牲 The Sacrifice of Polyxena】フランス‐バロック美術画家‐シャルル・ルブラン(Charles Le Brun)
「ポリュクセナの犠牲」はシャルル・ルブランによる1647年の作品で、キャンバスに油彩で描かれています。この絵画は、古代ギリシャの物語に基づいており、トロイ戦争の後、ヘクトールの妹であるポリュクセナの犠牲を描いています。
絵画は劇的な場面を捉えており、ポリュクセナはトロイアの勝利を祝うための犠牲としてアキレウスの息子、ネオプトレモスによって殺される様子が描かれています。この悲劇的な瞬間は、ポリュクセナが犠牲となることでトロイアの人々の運命を決定付けるものであり、絵画はその刹那を力強く表現しています。
ルブランは絵画の中で感情表現や劇的な要素を巧みに取り入れ、人物の表情やポーズ、背景の緊張感が観る者に物語性を伝えます。また、彼の絵画技術は細部まで緻密でありながらも、場面全体には壮大なスケール感が漂っています。
この作品はルブランの芸術的才能とバロック美術の特徴を示す傑作の一つであり、古典的な物語を力強く、感情豊かに表現しています。
古代ローマの詩人オウィディウスの物語によれば、従順なポリュクセナは戦士アキレスの霊を鎮めるために生贄の祭壇に連れて行かれます。ルブランは、ローマでの学びからパリに戻り、フランス王立美術アカデミーの設立の直前の年にこの作品を描きました。彼は間もなくアカデミーの長となりました。この絵画は、17世紀のフランスの学術的な絵画の優れた理念を捉えています。美しく構築された構図が物語性を伝え、強烈な表情と劇的な身振りを通じて物語性を表現しています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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