【掐絲及内填琺瑯纏枝蓮紋爐 Tripod incense burner with lid】中国‐明時代
「掐絲及内填琺瑯纏枝蓮紋爐」は、中国明時代の美術作品で、三本の足を持つ蓋付きの香炉です。この香炉は、掐絲技法(qiāsī)と内填琺瑯(nèi tián fáláo)技法を用いて作られています。
掐絲技法は、金属を細い線に引き延ばして細かい模様やデザインを作り出す技術です。内填琺瑯は、彩色した琺瑯を細かい溝やエッチングされた模様の中に充填する技法です。
この香炉には、蓮の花や枝などを巻きつけた模様が施されており、高い技術を要する掐絲と琺瑯技法を駆使して表現されています。蓮は中国のシンボルとして、純潔や清らかさを象徴する重要なモチーフです。
この作品は、芸術的な価値だけでなく、技術的な巧みさも見せる見事な香炉であり、中国美術の伝統的な技法と美意識を称えるものと言えます。
この香炉は、本体と三つの足には七宝焼(cloisonné)が施され、そして取っ手には鎌彫(champlevé)が使用されています。後者の方法は、銅線ではなく、金属本体にエナメルを充填するためのエンクロージャ(囲い)を彫り込む技法です。中国では七宝焼が一般的ですが、鎌彫はより珍しく、中国では皇帝の工房で15世紀に一時的に試されたとされています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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