【銅胎画琺瑯焼壺 Kettle and stand】中国‐清時代‐乾隆時代
この「銅胎画琺瑯焼壺」は、清代(1644年–1911年)乾隆時代(1736年–1795年)の作品で、18世紀後半に制作されました。中国の文化を反映したもので、銅合金に描かれた琺瑯彩(エナメル塗装)が特徴です。
寸法は、持ち手を含めたやかな形状で、やかんと台座が組み合わさったもので、高さ(持ち手を含む)34.3センチ、口から注ぎ口までの幅が22.2センチです。やかん単体の寸法は、持ち手を含む高さが26.4センチで、口から注ぎ口までの幅が22.2センチ。台座の寸法は高さ8.6センチ、幅19.7センチで、口の直径は13.3センチです。
この作品は、銅の表面に琺瑯彩で精巧に描かれた装飾が特筆されます。乾隆時代の美意識を反映した色鮮やかな絵画や文様が、銅器の表面を彩っています。また、台座が付いていることで、実用性と共に美しさも追求された作品と言えます。これは、当時の芸術家の高度な技術と、豊かな文化の表れとして価値がある作品です。
このやかんセットは18世紀における中国とヨーロッパの芸術的な交流を示しています。その形状は、典型的なヨーロッパの銀製品に見られるものですが、この例では銅合金製の本体に伝統的な中国の多色琺瑯で花を描いています。広州(現在の広州)で制作されたこのようなやかんセットは、中国製品へのヨーロッパの需要を満たすために輸出されました。
これは、ヨーロッパで一般的な形状に中国の伝統的な花模様が取り入れられた例です。広州で制作されたもので、その当時の中国製品のヨーロッパ市場での需要に応じてデザインされたものと考えられます。このような作品は、当時の国際的な商取引と文化交流の豊かな証拠として位置づけられています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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