【犀角雕玉蘭杯 Cup in the shape of a magnolia blossom】中国‐清時代
「犀角雕玉蘭杯」は、中国の清代（1644年から1911年）に制作された作品です。この杯は犀角を使用しており、彫刻された玉蘭の模様が特徴です。
犀角は、その希少性と高貴な存在から、贅沢な工芸品や装飾品の素材として重宝されていました。この特定の杯は、優れた職人によって、玉蘭の花の模様が細密に彫刻されています。玉蘭は中国文化では高貴さや清らかさを象徴する花であり、その美しい姿が犀角に彫り込まれています。
清代の工芸品は、技術的な高度さや美的価値が高く評価されており、このような犀角の彫刻品は贅沢な生活や高位の人々に愛されました。現在では、このような作品はその希少性と芸術的な価値から、収集家や美術愛好家の間で高い評価を受けています。
かつて犀は中国で広く生息していましたが、紀元1世紀には皮が鎧に使われ、角が飲み物のカップに彫られるなど、異国情緒あふれる存在となっていました。唐代（618年から907年）には、犀角は真珠やサンダルウッド、樟脳などとともに中国に輸入されました。16世紀以降、犀角を使った豪華な飲酒用のカップが広く作られるようになりました。
画像出所：メトロポリタン美術館
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