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【緙絲 須彌山曼陀羅 Cosmological Mandala with Mount Meru】中国‐元代
「緙絲 須彌山曼陀羅」は、中国元代(1271年から1368年)の14世紀に制作された絹のタペストリー(緙絲)です。この作品は、須弥山と呼ばれる仏教の伝説的な山と、マンダラとして知られる宗教的な図像を描いています。緙絲は、非常に高度で手の込んだ技術で作られる絹織物で、繊細な図柄やデザインを表現するために織り出されます。
この作品は須弥山を中心に、仏教の宇宙観を象徴的に表現しています。マンダラは、宗教的実践や瞑想のための視覚的な支援物として用いられ、精神的な意味を持つ幾何学的な配置やシンボルが織り込まれています。その豊かな色彩と緻密な総柄は、当時の高度な技術と芸術性を示しています。
この「緙絲 須彌山曼陀羅」は、中国の芸術と宗教的な表現の見事な結晶であり、当時の技術と宗教的信念の融合を見せています。
この緻密な織りのマンダラ、あるいは宇宙図は、密教仏教の登場とともに中国にもたらされたインド・ヒマラヤのイメージを示しています。中心には、ピュアな存在を象徴する仏教のシンボルである蓮を戴いた逆さピラミッドで表された神話上のメル山があります。山の基部には、太陽(三足の鳥)と月(兎)の中国の伝統的なイメージが現れています。主要な方向にある風景の断片は、インドの神話に登場する四大陸を表していますが、中国風の「青花」と呼ばれる絵画様式に従っています。四隅にある四つの花瓶を備えた密度の濃い花模様の縁取りは、中央チベットのイメージに似ており、特に元朝の宮廷と関係のある寺院のイメージを反映しています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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