「龍紋巻き瓶」は、中国の明代(1368年から1644年)後期、万暦時代(1573年から1620年)に作られた陶磁器です。透明な釉薬がかけられた徳化焼きの作品です。この瓶は、その名の通り、表面に龍の模様が巻きついていることで特徴付けられます。龍は中国の文化において権力や幸運、力などの象徴とされており、この瓶に描かれた龍は、その特別な意味を持っています。また、透明な釉薬が用いられていることで、瓶の美しい陶磁器の質感が際立っています。この作品は、当時の中国の芸術と技術の高いレベルを示すものとして評価されています。
考古学的証拠によれば、中国の東南海岸に位置する福建省の徳化付近にある窯は、13世紀後半に開かれ、16世紀から18世紀にかけて隆盛を極めました。徳化焼は、厚みのある光沢のある釉薬が特徴であり、宗教的な彫像や文人の書斎で使われる品々などが作られました。17世紀から19世紀にかけて、これらの作品はヨーロッパに輸出されました。西洋の文献では、しばしばフランス語の用語である「blanc de chine(ブラン・ド・シャン)」または「China white(中国の白)」という言葉で知られており、これは19世紀の学問に起源を持つ呼称です。
画像出所:メトロポリタン美術館
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。