「雪中山水図」は、江戸時代の中期、17世紀の作品で、狩野山雪(かのうさんせつ)という画家によって制作されました。この作品は、紙に墨で描かれた掛け軸です。
絵画は雪景色の山水を描いており、山々や木々、雪景色が緻密に描かれています。狩野山雪は、自然の風景を描くことで知られており、その作品はしばしば荘厳でありながらも繊細な表現が特徴です。
この作品は、日本の伝統的な山水画のスタイルに従いながらも、狩野派の技法や特色が見られます。狩野派は、風景や自然を描く際の緻密な筆使いや細部へのこだわりで知られています。
「雪中山水図」は、その時代の美意識や自然への敬意を反映した、江戸時代の日本の絵画の優れた例とされています。
狩野山雪は、冬の中国の風景を好んで描いた画家であり、彼の名前自体が「山雪」を意味することからもそれがわかります。京都の狩野派の2代目の当主である山雪は、豊かな色彩と金を使った魅力的な大作画で最もよく知られています。その代表作の一つである「The Met’s Old Plum(1975.268.48a–d)」は、このスタイルでの山雪の傑作の一つです。しかし、山雪は同様に、小さなスケールで墨の単色で作業することにも長けていました。この狭い掛け軸の構図では、広いつばの帽子を被った一人の男が、雪景色の川岸沿いをロバに乗って橋と古木のそばを通り過ぎていきます。おそらく彼の目的地は、雪山の間に見える大きなパビリオンでしょうか。あるいは、彼はただこの荒涼とした雪原を通り過ぎる途中かもしれません。一人のロバに乗った男や広いつばの帽子をかぶった姿という2つの主要なモチーフは、山雪の他の多くの作品にも見られます。これらは、折りたたみ式の屏風やパネルに組み込まれた大規模な構図の中に個別の作品としてまたは組み合わされています。これらは、少なくとも15世紀以降から日本に存在している13世紀の中国の画家である梁楷の同じ題材の有名な風景画から着想を得たものと考えられています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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