この「神座像(マキルコアトル) Seated Deity (Macuilcoatl)」は、15世紀から16世紀初頭のアステカ文化のもので、黒い玄武岩(バサルト)でできています。彫刻は脚を胸に引き寄せ、まっすぐな姿勢で座る男性を描いています。左の前腕が両膝に横たわり、右手はおそらくかつてはバナーや旗を持っていたでしょうが、古代または植民地初期に壊れてしまったようです。
この像は、マクイルコアトル(”5セラペント”)として知られるアステカの神聖な旗手を表しています。マクイルコアトルは、宴会、ギャンブル、運のゲームといった楽しみや過剰なもの、そして病気の概念と関連付けられていました。マクイルコアトルたちは夜の住人であり、戦いで死んだ戦士が太陽の円盤を背負って昇天する様子を象徴していました。
この像の裏面の頭部には、螺旋状の蛇が5つの点で囲まれたグリフが彫られており、これによってマクイルコアトルであることが識別されます。彼らは先コロンブス期の中央メキシコでの宗教的な予言者や導師の一部とされ、手の形象は神聖な存在を受け入れる媒体としての役割を強調しています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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