この「マスク」は、メキシコのメソアメリカ地域で3世紀から7世紀にかけて作られ、特にテオティワカン文化に関連しています。使用された素材はオニキス・マーブル（テカリ）です。

この時期のテオティワカン文化のマスクは、その芸術的な特徴や技法によって注目されています。この特定のマスクはオニキス・マーブルで作られており、テカリとも呼ばれます。オニキス・マーブルは非常に硬く、光沢があり、彫刻に適した素材であるため、彫刻や彫り物によく使用されました。

このマスクはおそらく宗教的な儀式や儀礼、あるいは特定の役割や象徴的な意味を持つ場面で使用されたと考えられます。テオティワカン文化では、彫刻や彫刻物が宗教的な儀式や精神的な意味を表現するために広く使用されていました。

三次元の石製の仮面は、中央メキシコの偉大な都市テオティワカンに関連する彫刻スタイルで豊富に見られます。幾何学的に描かれた横に広がる眉、三角形の鼻、楕円形の口と目を持つこの仮面は、理想化された顔のタイプを描いており、他のテオティワカンの芸術に存在する標準化されたモチーフと同様に、肖像ではなくシンボルとして機能するようです。目と口のくぼみからは、この白いオニキス製の仮面がもともとはインレイされた黄鉄鉱や貝殻で目や歯を描いていた可能性があります。

裏側の側面にある穴からは、他のオブジェクトに取り付けられることを意図していたことが示唆されますが、石の重さと目や口のための穴がないことから、これらの仮面はおそらく生きている人々が身に着けるためではありませんでした。代わりに、これらはより大きな、腐りやすい人物や神の彫刻に取り付けられたり、ミイラや神の束に取り付けられたり、配置されたりすることが考えられます。これらはメソアメリカのトウモロコシの神の地元のバージョンを表しているかもしれず、その石の顔はトウモロコシの種として、植えられ、優れた芽として再生される際の比喩となっています。

以下は、参考文献の一部の日本語への翻訳です：

1. Berrin, Kathleen, and Esther Pasztory. “Teotihuacan: Art from the City of the Gods.” The Fine Arts Museums of San Francisco, 1993.
   • キャスリーン・ベリン、エスター・パストリー著『テオティワカン：神々の街の芸術』、サンフランシスコ美術館、1993年。
2. Carballo, David M., Kenneth G. Hirth, and Barbara Arroyo. “Teotihuacan: The World Beyond the City.” Dumbarton Oaks, 2020.
   • デイヴィッド・M・カルバロ、ケネス・G・ハース、バーバラ・アローヨ著『テオティワカン：都市の向こうの世界』、ダンバートン・オークス、2020年。
3. Cowgill, George L. “State and Society at Teotihuacan.” Annual Review of Anthropology, Vol. 26, pp. 129-161, 1997.
   • ジョージ・L・カウギル著『テオティワカンの国家と社会』、人類学年鑑、第26巻、1997年。
4. Headrick, Annabeth. “The Street of the Dead…It Really Was: Mortuary Bundles at Teotihuacan.” Ancient Mesoamerica, Vol. 10, No. 1, pp. 69-85, 1999.
   • アンナベス・ヘッドリック著『死者の通り…それは本当だった：テオティワカンの埋葬束』、エンシェント・メソアメリカ、第10巻、第1号、1999年。
5. Headrick, Annabeth. “The Teotihuacan Trinity: The Sociopolitical Structure of an Ancient Mesoamerican City.” University of Texas Press, 2007.
   • アンナベス・ヘッドリック著『テオティワカンの三位一体：古代メソアメリカ都市の社会政治構造』、テキサス大学出版局、2007年。
6. López Luján, Leonardo, Laura Filloy Nadal, Barbara W. Fash, William L. Fash, and Pilar Hernández. “The Destruction of Images in Teotihuacan: Anthropomorphic Sculpture, Elite Cults, and the End of a Civilization.” RES: Anthropology and Aesthetics, no. 49/50, pp. 12-39, Spring-Autumn, 2006.
   • レオナルド・ロペス・ルハン、ローラ・フィロイ・ナダル、バーバラ・W・ファッシュ、ウィリアム・L・ファッシュ、ピラール・エルナンデス著『テオティワカンの像の破壊：拟人的彫刻、エリートの儀式、および文明の終焉』、RES：人類学と美学、第49/50号、2006年春-秋。

画像出所：メトロポリタン美術館