【色絵桜楓文大鉢 Large Bowl with Cherry Blossoms and Maple Leaves】江戸時代‐京焼き‐高橋道八‐尾形乾山
「色絵桜楓文大鉢」は、江戸時代に作られた陶磁器の一種で、日本の陶磁器作品の中でも特に京焼き(Kyoto ware)に分類されます。この作品は、三代高橋道八(さんだいたかはしどうはちさく)によって制作されたとされています。高橋道八は、京都の陶磁器作家として知られており、彼の作品は高い品質と美しさで評価されています。
「色絵桜楓文大鉢」の特徴は、その名前にも示唆されているように、色絵で装飾された大きな鉢であることです。この鉢は、京焼きの伝統的な技法である釉薬の下に鉄の釉下彩と白いスリップを用いて装飾され、多彩な釉薬を使用してカラフルな模様が描かれています。一般的なモチーフとして、桜の花や楓の葉など、自然の要素がよく用いられました。
このような京焼きの作品は、日本の伝統的な美意識や芸術的価値を反映しており、日本文化の一部として非常に重要です。特に色鮮やかな釉薬と美しいデザインは、日本の美意識や美術の愛好家にとって魅力的な要素です。高橋道八の作品は、その時代の芸術と工芸品の質の高さを示すものとして高く評価されています。
この大きな鉢に桜の花と色とりどりの楓の葉が組み合わさっていることで、京都の有名な陶芸家尾形乾山(1663–1743)のスタイルが蘇ります。鮮やかな構図は、和歌のアンソロジーである『古今和歌集』(約905年)に収められた竜田川についての詩に基づいています。詩人は、秋の紅葉が水面を漂うさまを金繍の錦のようと形容し、吉野の丘に咲く桜の花を白い雪片に見立てています。これらの模様は、春と秋の象徴的なイメージだけでなく、日本の2つの有名な名所(名勝)を思い浮かべさせます。
画像出所:メトロポリタン美術館
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