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【学者としての聖ヒエロニムス Saint Jerome as Scholar】ギリシャ‐スペイン・ルネサンスとバロック時代画家‐エル・グレコ(El Greco)
エル・グレコ(El Greco)の「学者としての聖ヒエロニムス」(Saint Jerome as Scholar)は、1610年に制作された絵画です。この作品は、キリスト教の聖人である聖ヒエロニムス(Saint Jerome)を学者として描いたもので、エル・グレコの晩年の優れた作品の一つとされています。
絵画では、聖ヒエロニムスは書斎の中に座り、書物や筆記具が散らばる中で熱心に研究している様子が描かれています。彼はキリスト教の聖書をラテン語に翻訳したことで有名であり、その知識と研究への献身が絵画に表現されています。聖ヒエロニムスの身体的な特徴としては、老年の姿勢や風貌、聖人であることを示すアトリビュート(特定の象徴物)も描かれています。
エル・グレコはこの絵画において、キリスト教の信仰と知識、そして聖ヒエロニムスの聖人としての役割を称賛的かつ感情豊かに表現しました。絵画全体はエル・グレコの特徴的なスタイルである長身の人物像や鮮やかな色彩、宗教的な雰囲気を反映しています。
「学者としての聖ヒエロニムス」は、エル・グレコ晩年の優れた作品の一つであり、彼の芸術的な才能と宗教的なテーマへの情熱が光る作品として高く評価されています。この絵画は現在、スペインのトレドにあるサント・ドミンゴ・エル・アントィグオ教会(Santo Domingo el Antiguo)に所蔵されており、多くの観光客や芸術愛好家によって鑑賞されています。
エル・グレコは少なくとも5点の「聖ヒエロニムス」を制作しました。このバージョンは、画家の晩年に制作され、聖人は赤い枢機卿の法衣を身にまとい、開かれた書物の前に座って描かれています。この書物は、彼が5世紀にギリシャ語からラテン語に聖書を翻訳した彼の役割を示すアトリビュートです。彼のやせた容貌と長い白い髭は、彼が苦行者として知られ、シリア砂漠への隠遁を思い起こさせます。この絵画は、画家が聖ヒエロニムスの学者と苦行者という2つの側面を新しく統合した方法で注目されています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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