【パレルモの疫病患者のために祈る聖ロザリー  Saint Rosalie Interceding for the Plague-stricken of Palermo】フランドル‐バロック期‐アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony van Dyck)

【パレルモの疫病患者のために祈る聖ロザリー  Saint Rosalie Interceding for the Plague-stricken of Palermo】フランドル‐バロック期‐アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony van Dyck)

アンソニー・ヴァン・ダイク(Anthony van Dyck)の絵画「パレルモの疫病患者のために祈る聖ロザリー」は、1624年に制作された作品です。この絵画は、聖ロザリー(Saint Rosalie)がパレルモの疫病患者のために祈る場面を描いています。

聖ロザリーはキリスト教の聖人で、特にシチリアの守護聖人として知られています。彼女は17世紀初頭にパレルモで生活し、疫病の流行を鎮めるために祈りを捧げたとされています。この絵画では、聖ロザリーが天に向かって祈る様子が描かれ、彼女の信仰と献身が強調されています。

アンソニー・ヴァン・ダイクは、17世紀のフランドル出身の画家で、バロック美術の優れた代表者の一人です。彼は特に肖像画で名声を得ましたが、宗教的な主題にも取り組み、その作品は精緻な描写と感情豊かな表現で知られています。

「パレルモの疫病患者のために祈る聖ロザリー」は、宗教的な信仰と奇跡的な出来事を描いた作品であり、当時の宗教的な状況と歴史的背景を反映しています。この絵画は、聖ロザリーへの崇敬と信仰を表すものとして、美術の世界で高く評価されています。

ヴァン・ダイクは、シチリアのパレルモに滞在中、疫病が発生し市が隔離された際にいました。市民たちは絶望的な状況に直面し、都市の12世紀の守護聖人である聖ロザリーに祈りを捧げました。その中で、長らく行方不明だった聖ロザリーの遺骨が疫病の最中に再発見されました。聖ロザリーの像が大きな需要となり、この絵はヴァン・ダイクによって制作され、彼がキャンバスにスケッチした印象的な自画像の上に描かれました。この絵画は、1871年に入手され、メトロポリタン美術館のコレクションに加わった最初の重要なヨーロッパ絵画の一つでした。

画像出所:メトロポリタン美術館

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