【タタール族のポロ　Tartars Playing Polo】江戸時代‐狩野永川院古

江戸時代の日本において狩野派の画家である狩野永川院古（かのうえいせんいんこ）は、絵師として知られています。彼は中国の絵画様式を取り入れた作品を制作しました。

狩野永川院古の作品の中で、「タタール族のポロ」は、タタール族（モンゴル族）がポロをしている様子を描いたものとされています。ポロは中央アジアやその周辺地域で古くから行われていた馬上のスポーツであり、特にモンゴル族によって愛されていました。

この絵画は、当時のアジアの文化や風習を描写したものと考えられています。狩野永川院古の作品は、中国の絵画技法を基にしつつも、独自の表現を取り入れ、日本の文化や美意識に翻訳したものと言えます。

狩野永川院古の作品は、その時代のアジア文化交流や日本の絵画史の一環として、重要な位置を占めています。

古代中国では狩猟とともに、ポロは詩人、画家、職人たちにとって魅力的な題材となりました。このスポーツが地域で衰退した後、16世紀後半から17世紀初頭にかけて、日本で絵画の題材として急速に再現されるようになりました。成長する武士階級は、タタール族がポロをする様子や新しい城や屋敷の装飾のために狩猟をする場面など、これら古代のテーマを好みました。

洗練された金の背景に描かれた豪華な桃山時代（1573–1615）の屏風絵とは異なり、この作品は実行においてはかなり控えめです。通常桃山時代のポロの場面に伴う風景の詳細がないため、ポロ選手たちは特徴的なポロのポーズをとる様子が捉えられており、まるで純粋な形のスケッチのように見えます。