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【バルスター形瓶(五つ装飾セットの一部 Baluster-shaped vase (part of a five-piece garniture)】江戸時代‐肥前焼‐伊万里風
「バルスター形瓶(五つ装飾セットの一部)」は、江戸時代に製作された日本の陶磁器で、輸出市場向けに作られました。具体的には、肥前焼(Hizen ware)のうちの伊万里風(Imari type)に属します。以下は、この陶磁器についての詳細です:
- 制作時期: このバルスター形瓶は、約1690年から1720年の間に制作されたものとされています。この時期は、江戸時代中期から後期にかけての時期に該当します。
- 材質と装飾: この陶磁器は硬質磁器(hard-paste porcelain)で制作されており、青花(underglaze blue)の装飾が釉薬の下に施され、釉薬上彩(overglaze enamel)と金箔(gilding)の装飾が施されています。硬質磁器は高品質な陶磁器で、美しい仕上げが特徴です。
- 伊万里風(Imari type): 伊万里風の陶磁器は、鮮やかな色彩と装飾的な模様が特徴で、特にヨーロッパの市場で高く評価されました。このスタイルは、青花という伝統的な装飾スタイルから一新され、派手な色合いと豪華なデザインが特徴です。
- 輸出市場向け: このバルスター形瓶は、外国向けに製作され、17世紀末から18世紀初めにかけて、ヨーロッパや他の地域に輸出されました。日本の陶磁器はこの時期に国際的な需要が高まり、貴族階級や王室のコレクションにも受け入れられました。
江戸時代の日本の陶磁器は、その美しさと高度な技術から国際的に高く評価され、特に伊万里風の作品は多くのコレクターや美術愛好家に愛されました。
17世紀末から18世紀初めにかけて、輸出向けに作られた日本の磁器の花瓶は、貴族階級や王室の支持を受けて、彼らの立派な邸宅や宮殿を飾るために熱望されました。この時期、中国の磁器はヨーロッパやイギリスにより大量に輸出されていましたが、日本の磁器はその大胆な模様と豊かな色彩の装飾により高く評価されました。こうした作品の人気により、ヨーロッパのアジア磁器に対する好みが変化し、輸入磁器を定義していた青と白の装飾よりも、より鮮やかなカラーパレットが好まれるようになりました。
画像出所:メトロポリタン美術館
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