この箏は、17世紀初頭に後藤家によって製作されたもので、さまざまな種類の木材、象牙、亀甲、金と銀のインレイが使用されています。後藤家は鍛金と金属加工の名家であり、その中でも特にこの箏は鍛金芸術の精巧な技術を示すものとされています。
箏の材料としては、さまざまな種類の木材が使用されました。象牙や亀甲は、彫刻や装飾の一部として利用され、箏の美しさと贅沢さを高めています。さらに、金と銀のインレイが施され、箏の表面に複雑な模様や装飾が描かれました。これらのインレイは、箏の美しさと芸術的な価値を引き立てています。
17世紀初頭の後藤家の箏は、その時代の日本の芸術と音楽の高度な技術と美学を反映しており、貴族や裕福な家庭の象徴として高く評価されました。その装飾や金属加工技術は、後世の箏製作においても影響を与え、日本の音楽文化に対する重要な貢献とされています。
この稀少な収蔵品は、現在の日本国内では類を見ない日本の装飾と音楽の芸術の見本であり、それ以前にも強力な伝統が存在したものの、近代の日本の箏(こと)音楽の基盤は17世紀に形成されました。この箏は、鍛冶の名家である後藤家の鍛金芸術家の中でも、特に腕の立つ第9代目である帝丞(ていじょう)による見事な装飾と金属加工が施されており、この重要な音楽の発展を記録しています。また、所有者の地位と箏の日本の象徴としての役割も反映しています。演奏領域以外の部分はすべて非常に美しく飾られています。金の鶴のメダリオンが、細かく彫刻された格子模様に飾られた側面に配置されており、これらの側面は、木材、角材、象牙、針金を使った見事なインレイワークで縁取られています。玉虫色の外箱は19世紀初頭のもので、金蒔絵の鶴(烏丸家の象徴)と雁が飾られ、内部には飛ぶ雁の模様が施された金箔が敷かれています。布製の包みは18世紀と19世紀の2枚の刺繍入りシルク生地から構成されています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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