平安時代の銅板蔵王権現は、銅で作られた作品で、日本の宗教美術や文化において重要な存在です。これは、平安時代に信仰された蔵王権現(ざおうごんげん)という神仏習合の守護神を表したものです。
蔵王権現は、山岳信仰と密教が結びついた宗教的信仰であり、特に山岳地帯や自然豊かな地域で広く崇拝されました。この信仰は、山中で修行する修験者たちや一般の人々によって支持されました。
この銅板蔵王権現の作品は、蔵王権現の神仏習合の特徴を象徴的に表現しています。一般的に、蔵王権現は武神としての一面と、病気や厄除けなどの守護神としての一面を持ちます。作品には、坐した蔵王権現の姿が表現され、その手にはしばしば金剛杵(こんごうしょ)と呼ばれる三叉の杵を持ち、力強さと保護の象徴とされました。
平安時代には、神仏習合が盛んに行われ、さまざまな神や仏が結びついた信仰が広まりました。蔵王権現もその一例であり、山岳信仰と密教の要素が組み合わさった信仰であると言えます。これらの作品は、当時の宗教的・美術的な背景を反映し、後世にもその影響を与え続ける重要な遺産です。
この炎のような形をした奉納の飾り板には、脚を持ち上げた坐王権現の姿が岩の突起に彫られています。彼は右手に三叉の金剛杵(さんこうしょ)を持ち、左手は剣印の印相(けんいんむどう)を形成しています。この青銅の板は、中世以来修験道の修行の場となってきた吉野の金峯山寺から、経塚(きょうづか)と呼ばれる経典の墓から発見されたものです。
画像出所:メトロポリタン美術館
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