この作品は、江戸時代の日本における美しい風景を描いた三連の掛け軸のうちの一つであり、狩野探水守常(からの たんすいもりつね)という画家によって描かれました。中央パネルには「蓬莱山」と呼ばれる幻想的な山が描かれています。蓬莱山は、日本の正月に展示される吉祥な象徴の一つであり、亀の背中に乗り、長寿の象徴である鶴や松の木が配置されています。梅の花と昇る太陽が新しい年の始まりを告げています。
両側のパネルには、中国の八景の中の「瀟湘八景」と呼ばれる風景が描かれています。右側のパネルには春の風景が、左側には冬の風景が描かれています。これらの風景は、中国の伝説的な風景を基にしており、狩野派の画家らしい精緻な筆致で描かれています。
この三連の掛け軸は、狩野探水守常の作品であり、彼の名前は署名として残されています。彼は狩野派という絵画スタイルに属し、その中でも風景画に優れた技量を持つ画家でした。この作品は、日本の美しい風景や風俗を描いた江戸時代の絵画の一例として、その時代の文化や美意識を伝えるものです。
中央パネルには、日本の正月に表示される吉祥なシンボルの中で最も人気のある蓬莱山が描かれています。亀の背中にバランスを取っており、長寿の象徴である亀の上には、他の長寿の象徴である鶴と松の木が配置されています。また、梅の花と昇る太陽が新しい日、新しい年の到来を告げています。
両側のパネルには、架空の中国風景が描かれており、これらは「小江湖八景」と呼ばれる中国の風景を基にしています。右側には春の風景が、左側には冬の風景が描かれています。これら三つのパネルの作家は、狩野派に学んだ画家で、自身の年齢を六十七と署名しています。彼は法橋の高い地位(功績のある芸術家に授与される仏教の称号)を得ていましたが、その生没年や経歴は未だに分かっていない状態です。
画像出所:メトロポリタン美術館
コメント
トラックバックは利用できません。
コメント (0)
この記事へのコメントはありません。