「不動明王坐像」は、鎌倉時代に活動した彫刻家である快慶(かいけい)によって制作された作品です。この像は、檜(ひのき)の木材に漆、色彩、金箔、切り抜き金箔(切金)、象眼(ぞうがん)を使用して制作されたもので、不動明王(ふどうみょうおう)を坐っている姿で表現しています。
不動明王は、怒りを持つ仏陀であり、仏教の教えを守護するために戦う姿勢を象徴しています。この像は、不動が悪い力や障害を制圧するために使用する套索(たすき)と剣を手に持っている姿を描いています。
快慶は、鎌倉時代に活躍した彫刻家で、その作品は力強く独特の表現力を持っています。この「不動明王坐像」も、その独自の彫刻技法と優れた表現力が表れています。また、切り抜き金箔や象眼といった装飾材料の使用は、作品に輝きと奥行きを与えています。
この作品は、不動明王の威厳や力強さを表現したものとして、鎌倉時代の仏教美術の中で重要な位置を占めています。
不動明王(ふどうみょうおう)は、仏教の宇宙の中心に位置する仏陀、大日如来(だいにちにょらい)の怒りを帯びた化身として崇拝されています。仏教教義の忠実な守護者として、不動は悪い力を抑えるために套索と剣を持っています。この作品は、一流の彫刻家である海外の工房で制作され、経典の描写に従って、下唇を噛んでいる脅威的な全身像が描かれています。髪は結ばれ、左肩に流れています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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