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【里芋菊蒔絵重箱 Stacked Food Box (Jūbako) with Taro Plants and Chrysanthemums】江戸時代後期‐柴田是真
江戸時代後期の柴田是真によって制作された「里芋菊蒔絵重箱」は、漆塗りの木製品で、金と銀の平蒔絵(ひらまきえ)、高蒔絵(たかまきえ)、および色の研ぎ出し蒔絵(とぎだしみきえ)の技法を用いて作成されました。この作品は、贅沢な装飾技法を駆使して、食事用の重箱として使用されることを想定しています。
「里芋菊蒔絵重箱」は、箱の表面に里芋(さといも)と菊の花が緻密に描かれた、美しい漆塗りの作品です。平蒔絵は金と銀の箔を敷き詰めた技法で、高蒔絵は立体感を出す技法、研ぎ出し蒔絵は色を重ねて表現する技法です。これらの技法の組み合わせによって、箱の表面には豪華な模様と彩りが施されています。
柴田是真は、漆工芸家としてだけでなく、絵画家としても高く評価されました。彼の作品は、伝統的な漆工芸技法を用いつつも、独自のモダンなデザインとアプローチが感じられる特徴を持っています。この「里芋菊蒔絵重箱」も、是真の技術と創造性を象徴する優れた作品の一つとされています。
この食器箱は、新年の祝いの食事など、お祝いの席に使用されることを想定してデザインされました。二つの蓋が付いており、箱を簡単に二つのセットに分けることができます。飾り付けられたモダンなデザインは、里芋と菊の花がモチーフとなっています。
柴田是真(しばた ぜしん)は、漆工芸と絵画の両方で名声を持っていました。彼は江戸時代にキャリアをスタートさせ、明治時代初期まで活動し、さまざまなメディアの境界を越えるだけでなく、江戸時代の技術やデザインの感性を現代の漆工芸家にも伝えました。是真は、蒔絵芸術家の駒家(こまけ)の名家である駒寒斎(こま かんさい)II(1767–1835)に師事し、また、四条派の画家たちとも学びました。彼の自然からのスケッチへの興味は、自然のテーマの詳細な構図に反映されています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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