この「紅漆戧金雲龍紋經箱」は、明代永楽時代(1368年-1644年)に作られた經(仏典や経典などの宗教的な書物)を保管するための箱を指します。永楽帝は明代初期の皇帝であり、彼の治世は芸術と文化の繁栄が見られる時期でした。
「紅漆」は赤い漆塗りを指し、木材に漆を塗って仕上げる技法です。この漆塗りは美しさと耐久性を兼ね備え、装飾品や家具などさまざまな用途で使用されました。また、「戧金雲龍紋」は、金箔を施して彫刻された雲龍(雲を背にした龍)の模様を指します。雲龍は中国の伝統的な意匠で、力強さと威厳を象徴するものとされています。
經箱は宗教的な書物を大切に保管するための容器として使用されました。永楽時代の經箱は、美しい装飾と高度な技術で作られ、当時の宗教的価値や文化的背景を反映しています。紅漆と金箔を用いた装飾は、經箱に高貴さと重要性を与え、その制作の緻密さと芸術的な価値を示しています。
画像出所:メトロポリタン美術館
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