「Tile with Image of Phoenix」は、13世紀後半のイラン(ペルシャ)で制作された陶磁器タイルの一つです。これは、イスラム美術の一環として制作された作品であり、イスラム世界の芸術と文化を反映しています。
このタイルは、美しいファイヤーズ(フェニックス)のイメージを描いています。ファイヤーズは、古代の神話や伝説に登場する鳥で、再生や不死性の象徴とされています。このタイルのデザインは、ファイヤーズが美しく描かれ、色鮮やかな装飾が施された背景と調和しています。
13世紀のイランは、イスラム美術の黄金時代の一つであり、陶磁器やタイルなどの工芸品も高度な技術と芸術的な洗練が結びついた美しい作品が多く制作されました。このタイルも、その時代のイスラム世界の美術の特徴をよく示しています。13世紀のペルシアへのモンゴルの征服の後、中国から地中海まで広がる広範な貿易ネットワークが開かれ、以前の世紀よりも自由に商品が移動できるようになりました。この展示ケースの中のオブジェクトが示すように、イルハン朝時代の芸術家たちは中国の図像から容易に影響を受け、蓮の花、鹿、龍、その他の神話的な生物などを含む図像を採用しました。この飛翔する鳳凰の像は、鳳凰が冠を戴き、派手なしっぽの羽毛を引きずる姿を示しており、ペルシャの芸術家たちによる中国の図像の適応を具体的に表現しています。
イスラム美術における陶磁器やタイルは、宗教的な表現や装飾の一環として使用され、建物の内装や装飾、特にモスクや宮殿などの重要な場所で使用されることが多かったです。これらの作品は、美術的な価値だけでなく、当時の社会や宗教的な意味合いを理解するための貴重な資料としても重要です。
画像出所:Tile with Image of Phoenix, late 13th century Islamic, Ilkhanid period (1256–1353) Stonepaste; modeled, underglaze painted in blue and turquoise, luster-painted on opaque white ground ; H. 14 3/4 in. (37.5 cm) W. 14 1/4 inl (36.2 cm) The Metropolitan Museum of Art, New York, Rogers Fund, 1912 (12.49.4) http://www.metmuseum.org/Collections/search-the-collections/446207
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