「清時代 套料玻璃古銭紋鼻烟壺」とは、中国の清朝時代に作られた、古代の銭（中国の貨幣）の模様をあしらった套料玻璃製の鼻煙壺（たばこの煙を吸い込むための小さな容器）を指すのだと思われます。

套料（とうりょう）は、複数の異なる材料や技法を組み合わせて作られる工芸品のことを指します。套料玻璃は、ガラスに他の材料を組み合わせて装飾や模様を作り出す技法です。このような技法は、清朝時代の中国で特に発展し、精巧な装飾品や工芸品が制作されました。

「古銭紋鼻烟壺」とは、この套料玻璃の鼻煙壺に、古代の中国の銭（貨幣）の模様をデザインとして施したものを指します。古代の銭にはさまざまな形状やデザインがあり、それを模倣してガラス製品に描かれたり彫られたりすることが行われました。

これにより、古銭の歴史的な価値や意義を尊重しつつ、新しい美術作品や工芸品が生み出されました。古銭模様を用いた套料玻璃の鼻煙壺は、その繊細な装飾や技術の高さから高く評価され、現代でも収集家や美術愛好家にとって魅力的なアイテムとなっています。

清朝時代においては、さまざまな材料や技法が組み合わせられて、多彩な工芸品が制作されました。套料玻璃古銭紋鼻煙壺も、その一例であり、当時の芸術と工芸の粋を反映する重要な作品です。

画像出所：Snuff Bottle, China, Qing dynasty (1644–1911), Qianlong period (1736–95) Glass; H. 2 3/4 in. (7 cm); H. incl. stand 3 3/8 in. (8.6 cm); W. 1 1/4 in. (3.2 cm); D. 3/4 in. (1.9 cm) The Metropolitan Museum of Art, New York, Bequest of Edmund C. Converse, 1921 (21.175.265a, b) http://www.metmuseum.org/Collections/search-the-collections/41514