【青釉色絵金彩大壺】イラン出土|イスラーム時代・13〜14世紀|土製、施釉－常設展－東京国立博物館

コバルトを営莉とする菁箱の上に、白、赤、金、黒の絵具で文様が描かれています。ペルシア語で青藍色を「ラジュヴァルド」ということから、ラジュヴァルディナ陶器と呼ばれます。イランのカーシャーン窯などで12世紀後半から14世紀前半にかけて作られました。

「カーシャーン窯」は、イランの都市カーシャーン（Kashan）を中心として、イスラーム時代の13〜14世紀に栄えた窯場のことを指します。カーシャーン窯は、その美しい陶磁器製品で知られており、特に青釉色絵金彩の作品は高い評価を受けています。

「青釉色絵金彩大壺」とは、このカーシャーン窯で作られた特徴的な陶磁器の一つを指します。これは土製の大壺であり、表面に青い釉薬がかけられています。さらに、青い釉薬の上に絵付けが施されており、金彩で装飾されています。金彩は、金の薄片を使用して模様や装飾を施す技法で、陶磁器に高貴な輝きを与える効果があります。

これらのカーシャーン窯の陶磁器は、美しいデザインと高い技術力で知られており、イランのイスラーム文化圏で高く評価されていました。これらの作品は、上流階級の家庭や宮廷で使用されることが多く、また貿易を通じて中央アジアやイスラーム世界にも広まりました。

カーシャーン窯の陶磁器は、イスラーム美術や工芸の重要な遺産であり、その美しさと芸術性は今日でも多くの人々に魅了されています。