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「鎌倉・南北朝時代」
鎌倉時代(1185年〜1333年)および南北朝時代(1336年〜1392年)の美術は、日本の歴史的な転換期にあたります。
鎌倉時代の美術:
- 仏教美術: 鎌倉時代は、武士の政権である鎌倉幕府が成立し、仏教の影響力が高まった時代です。仏教美術は、禅宗や浄土宗などの新興宗派が興隆し、特に浄土宗の信仰が根強かったです。鎌倉時代の仏教美術では、阿弥陀如来や観音菩薩などの仏像が制作され、また、法華経や浄土思想を描いた絵画や仏壇も多く作られました。
- 物語絵巻: 鎌倉時代には、物語を描いた絵巻物が盛んに制作されました。特に『源氏物語絵巻』や『平家物語絵巻』などが有名です。これらの絵巻物は、物語のエピソードや風景を豪華な絵画とともに描き、当時の貴族や武士の文化を伝える重要な資料となっています。
南北朝時代の美術:
- 足利将軍家の庇護: 南北朝時代は、室町幕府の成立とともに足利将軍家が台頭しました。足利将軍家は、文化や芸術の庇護者として知られており、美術や建築において独自の発展を遂げました。
- 禅宗の影響: 南北朝時代には、禅宗の影響が美術に大きく現れました。禅宗の修行や教義を表現するための禅画や書道が盛んに制作されました。禅画は瞑想や自然の風景を通して内面的な境地を描き、無駄のない簡潔な筆致や表現が特徴的です。
- 銅像の制作: 南北朝時代には、銅像の制作が盛んに行われました。代表的な作品には、京都の東寺にある薬師如来坐像や、鎌倉の長谷寺にある地蔵菩薩坐像などがあります。これらの銅像は、細密な彫刻技法や精緻な装飾が特徴であり、当時の高度な金工技術を示しています。
鎌倉時代と南北朝時代の美術は、武士の支配や社会的な変動の中で生まれ、宗教的・政治的な要素が強く反映されています。これらの美術は、当時の社会の様相や文化の発展を理解する上で重要な手がかりとなります。
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