【スリムット花動物文様浮紋織縫取織経絣】インドネシア・ティモール島-19世紀後半-経絣、浮紋織、縫取織(木綿)－常設展－東京国立博物館

計3枚の裂を縫い合わせた作品です。両側には幾何学文を表したイカット (経絣)を、中央には白地に縫取織でモチーフを織り表した裂を配します。ところどころに見える尾の長い四足の動物はワニと考えられ、ティモール島では王族しか使用が許されない文様でした。

インドネシアのティモール島に伝わる19世紀後半の経絣、浮紋織、縫取織（木綿の織物）のスリムットは、非常に美しい織物であり、ティモール島の豊かな文化と織物の伝統を象徴するものです。

スリムットは、ティモール島の伝統的な手織り技術で作られる織物の一種です。ティモール島の織物は、経絣、浮紋織、縫取織といった異なる織り技法を組み合わせることが特徴的です。これにより、複雑で美しいデザインが作り出されます。

スリムットの特徴的な文様は、花や動物を含む浮紋織や縫取織の技法を用いて織り込まれることがあります。これらの文様は、ティモール島の自然環境や生活様式、宗教的な信仰といった要素を反映しています。

浮紋織は、平織りの織物に浮かせた糸を追加することで、立体的な模様を作り出す技法です。縫取織は、織り上げた布に模様を刺し縫いする技法で、追加の糸を織り込むことなく、柄を作成します。これらの技法を組み合わせることで、スリムットの美しいデザインが生み出されます。

ティモール島のスリムットは、日常の衣類として使用されるだけでなく、特別な儀式や行事においても重要な役割を果たすことがあります。結婚式や祭り、宗教的な儀式などの際には、スリムットを着ることが文化的な習慣として受け継がれてきました。

これらの伝統的な織物は、ティモール島の文化遺産を守るために大切にされています。その美しいデザインと織り技術は、現代のアート愛好家やコレクターにも人気があり、世界中で高い評価を受けています。

【スリムット花動物文様浮紋織縫取織経絣】インドネシア・ティモール島-19世紀後半-経絣、浮紋織、縫取織(木綿)－常設展－東京国立博物館－東洋館