【如来坐像】パキスタン・ガンダーラ|クシャーン朝・2〜3世紀-常設展-東京国立博物館-東洋館

  • 2023/7/22
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頭の後ろの円形は後光の表現で、神聖で偉大な神や人物の背後に表わされています。円形中向かって右にインドラ(帝釈天)、左にブラフマー(梵天)とみられる古来信仰を集めたインドの神が、釈尊に礼拝する姿を浮き彫りしています。釈尊がもっとも優れていることを意味するのでしょう。

パキスタンのガンダーラ地域は、古代においてクシャーン朝の支配下にありました。クシャーン朝は紀元2世紀から3世紀にかけて、現在のアフガニスタン、パキスタン、および中央アジア一帯を支配した古代王朝で、仏教の保護と発展を重視し、仏教芸術の発展に大きな影響を与えました。

「如来坐像」は、ガンダーラ地域で制作された仏教美術の代表的な作品の一つです。これらの坐像は、仏陀(釈迦)が瞑想や悟りを示すために座っている姿を表現しています。ガンダーラ地域は、インドとギリシャの文化的影響が交じり合った地域であり、その影響が仏教芸術にも反映されました。

「如来坐像」は、片岩(かたいわ)という石材で制作されており、繊細な彫刻技法を用いて仏陀の衣服や身体の表現が詳細に描かれています。坐像の特徴的な点は、仏陀の頭部に特有の螺髪(らせんがみ)やウシュニシャ(頭頂部のかさぶた)が表現されていることです。これらの特徴は、クシャーン朝の影響を受けたギリシャ・ローマ的な様式に由来しています。

ガンダーラの「如来坐像」は、仏教美術の重要な遺産として評価されており、その独自のスタイルと美しさが美術愛好家や学者によって高く評価されています。これらの坐像は、ガンダーラ地域の仏教寺院や遺跡で見ることができるほか、世界中の美術館やコレクションで展示されています。

【如来坐像女】パキスタン・ガンダーラ|クシャーン朝・2〜3世紀-常設展-東京国立博物館-東洋館
【如来坐像】パキスタン・ガンダーラ|クシャーン朝・2〜3世紀-常設展-東京国立博物館-東洋館
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