【ジャムバラあるいはクベーラ坐像】インドネシア中部ジャワ時代8〜9世紀-青銅－常設展－東京国立博物館

中部ジャワ期のインドネシアでは、仏教、ヒンドゥー教がともに栄えました。この像は、仏教ならジャムバラ、ヒンドゥー教ならクベーラの像として作られたものですが、両者を区別することは難しいです。右手にレモンをとり、左手はマングースの首をつかんでいます。

インドネシア中部ジャワ時代（8世紀から9世紀）のジャンバラ（Jambara）またはクベーラ（Kubera）坐像は、仏教美術の一部として知られています。これらの坐像は、ジャワ島の古代仏教寺院や遺跡で発見されています。

ジャンバラまたはクベーラは、ヒンドゥー教と仏教の伝統において富と繁栄の神とされる存在です。これらの坐像は、胸に宝石や財宝を持ち、仏教的な特徴とヒンドゥー的な要素を組み合わせた形で表現されています。坐像は通常、太った体格、厚い唇、豊かな装飾品など、富の象徴として描かれています。

これらのジャンバラやクベーラ坐像は、ジャワ島の仏教寺院や寺院の遺跡から発見されました。中でも、ボロブドゥール寺院やプランバナン寺院などが有名です。これらの寺院は、ジャワ島の古代王朝によって建設され、仏教とヒンドゥー教の宗教的な中心地として栄えました。

これらの坐像は、寺院内部や寺院の門、塔（ストゥーパ）の装飾など、さまざまな場所で見つかりました。彫刻技術や細部への注意が見て取れ、富や繁栄の象徴としての意味合いが強調されています。

ジャンバラやクベーラ坐像は、インドネシア中部ジャワ時代の芸術的な遺産として高く評価されています。これらの作品は、当時の宗教的な信仰や文化的な背景を理解するための貴重な資料となっています。また、これらの坐像はインドネシアの文化遺産として保護されており、観光客や学術研究者にとって重要な観光地や研究対象となっています。