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【ストゥーパ型舎利容器】パキスタン・ガンダーラ|クシャーン朝・3世紀-常設展-東京国立博物館-東洋館
- 2023/3/16
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- 【ストゥーパ型舎利容器】パキスタン・ガンダーラ|クシャーン朝・3世紀-常設展-東京国立博物館-東洋館 はコメントを受け付けていません
釈迎は偶像崇拝を禁じていたため、亡くなってすぐには仏像が造られることはありませんでした。一方、その遺骨である仏舎利や、これを納めた境墓であるストゥーパ(仏塔)に対する信仰が盛んになります。本作は、仏像が誕生してからも信仰された舎利容器の典型的な遺品の一つです。
パキスタンのガンダーラ地域におけるクシャーン朝時代(3世紀頃)のストゥーパ型舎利容器は、仏教美術の重要な遺物として知られています。これらの舎利容器は、仏教寺院や聖地において仏陀や高僧の遺骨(舎利)を安置するために使用されたものです。
ストゥーパは仏教建築の特徴的な形態で、円錐形のドームを持ち、その上に覆い(ハーマ・チャトラ)が設けられた構造物です。舎利容器は、このストゥーパの内部に仏陀や高僧の舎利を納めるための小さな容器で、しばしば宝石や宝飾品で飾られたり、彩色が施されたりしていました。
クシャーン朝時代のガンダーラ地域では、ストゥーパ型舎利容器が粘土や石膏などの素材で制作されました。これらの容器は高度な彫刻技術を持ち、仏陀や菩薩の姿や装飾が細かく表現されていることが特徴的です。ギリシャ・ローマの芸術との交流が見られるため、ストゥーパ型舎利容器にもガンダーラ美術の特徴が色濃く反映されています。
これらの舎利容器は、仏教寺院や聖地において重要な役割を果たし、仏教徒たちが敬意を表し、崇拝する対象となっていました。また、寺院や修道院の遺跡から多くのストゥーパ型舎利容器が発見されており、ガンダーラ地域の仏教美術の遺産を理解する上で貴重な資料となっています。
現代でも、パキスタンのガンダーラ地域でこれらのストゥーパ型舎利容器が発見されることがあります。これらの遺物は、仏教美術の重要な一端を伝えるものとして、研究や展示が行われています。
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