楽山市のかたわらを流れる岷江・青衣江・大渡河,三河の合流点,岷江東岸,凌雲山のふもとに彫られた摩崖の弥勒坐像で,凌雲大仏ともいう。急流によって船の事故にあう人をなぐさめるという目的で,唐代の713年に僧の海通が着工し,90年の歳月を要して完成したという。高さは約71mあり,頭の部分だけでも約15mあるという巨大なものである。世界最大の石刻の仏像で,凌雲崖に沿って曲がりくねった桟橋かおるが,河上に出なければ全身を眺めることはでぎない。しかし,遊歩道によって周囲を散策することができる。
唐代から13層の楼閣でおおわれていたが,明末に倒壊し今日ではむき出しのままである。 大山のうしろの山,凌雪山には,唐代の創建といわれる大仏寺がある。堂宇は,明清代の時代に現在の姿に築かれた。境内には,方形13層,内部が5層の磚塔・霊宝塔がある。宋代の建立で,明・清時代に改修されているが,凌雪山にある9塔のうち最も美しいといわれる場である。
凌雪山と相対する鳥龍山のあいだの川は,戦国時代,蜀の郡守李泳が,岷江の流れの勢いをおさえるため,開削した水道である。古代の水利工事の遺跡としても貴重である。
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